5歳児と3歳児、それぞれの「交渉術」

5歳と3歳。
きょうだいでも、おねだりの『交渉術』はまるで違います。

自動販売機の前で、まっすぐこちらを見つめて芝居がかった声でジュースをねだる長男。

ドラッグストアで親の横にくっついて、伏し目がちに「おやつ…」とささやく長女。

おねだりされながら、「うまくなったなぁ」と感心したり、「どこで覚えたんだ」と驚いたり。

今回は、5歳の長男(うおた)と3歳の長女(むーちゃん)の『おねだり術』から見えた、きょうだいの成長について書いてみます。

歳の長男はストーリーで攻めてくる

公園を散歩しているときのことです。
さっき水筒のお茶を飲んだばかりなのに、自動販売機を見つけたうおたが、ぼくの横でこう言いました。

「あ〜、なんか歩いてのどが渇いたなぁ。そうだ、ジュース飲まなきゃ!」

まっすぐこちらを見て、甘え混じりの笑み。
声は少し芝居がかっていて、どこか「わざとらしい」。

ちょっと前までは「ジュース!」「アイス!」とストレートに叫ぶだけだったのに。
いつの間にか、理由をつけておねだりするようになりました。

ぼくは思わず笑ってしまい、「うまくなったなぁ」と感心していました。

ジュースは買うことにしました。ただし条件つきです。

「むーちゃんと半分こね」

うおたは嫌な顔もせず、素直にうなずきました。
買ってもらえること自体がうれしかったのでしょう。

最初にねだった本人から一口。
そのあと、交代交代で上手に分けっこしていました。


3歳の長女は「距離感」と「声のトーン」で揺さぶる

一方、むーちゃんはまったく違います。

家族でのおでかけの帰り道、ぼくだけドラッグストアに寄る予定でした。
すると急に「むーちゃんも行く!」とついてきました。

店内に入って買い物をしようと歩き出すと、ススっと近づいてきてぼくの服のすそを引っ張ります。

そして、目を合わせず、伏し目がちに小さな声で、

「おやつ…」

最初は聞こえないふりをしました。

すると、ささやき声のまま、少しずつボリュームが上がります。

根負けして「おやつ買うの?」と聞くと、ぱっと目を合わせて、ニヤリ。
完全に勝利の笑みでした。

どこで覚えたんだろうと思うほど、女の子らしいというか、距離の詰め方が絶妙なねだり方で驚きました。

マーブルチョコを自分用に選んだむーちゃん。

さらに「うおたのも選んで」と頼むと、コアラのマーチを持ってきました。

車に戻り、それを受け取ったうおたは、少し驚いた顔で「ありがとう」。
買ってくるとは思っていなかったのでしょう。


きょうだい間の交渉は、意外とまっすぐ

いっぽうで、きょうだい同士での交渉は、むしろシンプルです。

例えば、のりやハサミを使って工作しているとき。

「それ貸して」

「いいよ」

の言葉だけで、わりとうまく回っています。

ときどき、使いたいものがかぶると小さな衝突もあります。

そんなとき、ぼくはなるべく『道理』を言葉にして伝えるようにします。

「先に使っていたのはうおたでしょ」
「じゃあ、ここを塗ったら貸してあげて」

順番や理由を、できるだけ説明するようにしています。


おねだりする中で育っているもの

5歳はストーリー仕立てで説得しようとし、3歳は距離感と声のトーンで揺さぶる。

方法は違っても、どちらも「相手を動かそう」としている点は同じです。

それぞれの方法でコミュニケーションの力が育ってきているなと感じています。

そして、半分こができること。
相手の分を選んでくること。
「ありがとう」と言えること。

その一つひとつが、小さな社会性の芽なのでしょう。
細かいところで成長を感じさせてくれます。