夜の寝室で、布団の上をぴょんぴょん跳ねる子どもたち。
眠気でまぶたが重いぼくは、つい言ってしまうんです。
「おばけが出るよ」
「サンタさん来ないよ」
その場は静かになります。でも、心に少しだけ後悔が残る。
ブラックペダゴジーという言葉を知ったとき、ぼくは「ああ、これかもしれない」と思いました。
怖がらせて従わせるのではなく、納得して動く子に育ってほしい。
そんな葛藤のなかで、ぼくが心に決めたのは「あと5分だけ付き合おう」という、小さな選択でした。
つい言ってしまう「おばけが出るよ」
ぼくはこれまで、子どもたちに何度も言ってきました。
「おばけが出るよ」
「サンタさん来ないよ」
リビングで歯みがきを嫌がるとき。
寝室で布団の上を跳ね回るとき。
子どもたちは、「やだ!」と本気で怖がった顔をして止まります。
そのたびに、ぼくの中には小さな後悔が残りました。
「ああ、また言っちゃったな。」
こういうしつけの仕方を、『ブラックペダゴジー』というそうです。
欧米では「ブラックペダゴジー」と呼ばれて、子どもを嘘をついて育てるのは批判的な専門家がほとんどと言われています。
※なお、欧米よりアジア系の人は、「ブラックペダゴジー」にそこまで批判的ではなく、使う人が多い、ということが知られています。
振り返ってみると、ぼく自身が疲れている夜ほど、この『ブラックペダゴジー』の言葉が出やすいのだと気づきました。
「早く寝てほしい、終わらせたい」という気持ちがそうさせていたんです。
目を見て話す時間が、子どもとの関係を育てる
一方で、目を見て順を追って話すときもあります。
なぜ歯みがきが必要なのか。
なぜ今は寝る時間なのか。
子どもたちは、真顔で聞いてくれます。
内心、「わかってくれるといいな」と祈るような気持ちで話し始めています。
もちろん、子どもたちにはわかってもらえなかったり、そもそも聞いてくれなかったりすることもあります。
それでも、不思議と後悔は残りません。
ときどき、納得して動いてくれたとき、その後ろ姿を見ると胸の奥がふっと軽くなる感じがします。
子どもたちを信じて、話してきかせてよかった。
そんな夜があるから、ぼくは怖がらせる以外の方法を探したいと思うのです。
あと5分だけ付き合おう
最近は、こう自分に言っています。
「あと5分だけ付き合おう」
完璧な親にはなれません。
でも、子どもたちから見て、「真摯に話してくれる」大人でありたい。
怖がって従うのではなく、納得して動ける子になってほしい。