発達障害とひとことに言っても、色々な程度があります。
「ちょっとキャラがある人だな」という程度の方から、会話がほぼ成り立たないような方まで。
それに知的障害が加わるかどうかで、生活やコミュニケーションのレベルにはさらに幅が出てきます。
息子には「中等度の発達障害」と「軽度の知的障害」があります。
発達検査などで正確に評価をされたわけではなく(というか、検査を完遂できなかった)、ぼく個人の見立てですが…。
年齢を重ねるなかで、本人のキャラクターも成長してきているとは感じているんですけどね。
息子が生まれたのは、小児科医になって数年経ったときでした。母子ともに妊娠中も産後も特に問題はなく、発達障害を含めて病気の心配もなにもしていない、順調に思える子育てでした。
息子の発達のようすが気になりだしたのは、1歳6か月ごろになってから。
言葉がなかなか出てこなかったんです。
名前を呼べば振り向くけれど、初めて喋る言葉として一般的な「パパ」も「ママ」も言わない。
1歳半健診も、ひっかかりはしなかったものの「グレー」という雰囲気だったそうです。ぼくは立ち会えなかったのですが、そう聞いて納得はしてしまいました。
ちなみに、息子が初めてしゃべった言葉は、1歳8か月のときの「にんじん」でした。「パパ」「ママ」を言うようになったのは、2歳半ばになってから。
小児科医であるぼくは、発達障害の子どもと接する機会は平均よりも格段に多いと自負していましたし、今でもそう思っています。
病院に相談に来た患者さんから上のようなエピソードを聞いたら、「発達の遅れの可能性がある」と考えて相談に乗るはずです。
ただ、日々一緒に過ごす我が子の元気な様子を見ながら、発達の問題を積極的に疑えるか…程度にもよるのでしょうが、日々の診療のように自分の頭を切り替えるのはなかなか難しかった。
というより、「自分の子どもに発達の遅れがある・発達障害だと思いたくはなかった」というのが正直なところでした。
発達障害を専門にしていなくても、小児科医であれば知っている発達障害児の特徴。それに当てはまるところがいくつもありながら、当てはまらないところにばかりどうしても目を向けてしまう。
「目は合いにくいけど、合わないことはないし…」
「他の子と全然遊ばないけど、親には割と懐いているし…」
「はっきりとは喋っていないけど、『ママ』って言っているように聞こえるかも…」
ちょっとしたモヤモヤ感を抱えながら過ごしていました。
疑いから確信に
発達障害疑いとして、息子にとって必要な環境を整える。
その覚悟をする決め手になったのは、同じく小児科医であるぼくの父の言葉でした。
「〇〇は個性的だね」。
かなり言葉を選んだ表現ですが、息子のキャラクターが大多数の子とは違うとは父も感じていたようです。
「やっぱりか…」。そう思いました。
この出来事をきっかけに、地域の保健センターに相談し、療育施設の見学の手配を始めていきました。